カテゴリ
以前の記事
2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
離婚を決意してから実際に離婚が成立するまで、イタリアの離婚法に則って行ったので丸五年がかかった。というと、イタリア人とインド人以外の友人にびっくりされる。 結婚も初めてだったが離婚のほうも初めてである。何をどうしたらよいのか、わかるまでに本当に時間と労力がかかった。イタリア大使館に両国の離婚法に通じた弁護士がいないかと電話で相談したら「そんな弁護士さんがいらしたらこちらが知りたいくらいです。」という御返事だった。 イタリアではごく特別な例を除いてはすぐに離婚はできない。まずはSeparazione(別居)という形をとり、そのための条件の合意を取りそれを家庭裁判所に申し立てた日から三年経って晴れて離婚の資格が整う。そこで又、離婚後の条件の合意を取り、それを家庭裁判所に認めてもらい、二人して裁判官の前で復縁の意思無しとの宣誓をした日が本当の離婚の日である。 別居のための条件というのが未成年の親権を誰がとるのか、別れた片親とその子供たちの家をどう確保するかとか、子供とその親の養育費をいくらにするとかということである。離婚のための条件というのも内容はほぼ同じ。 別居にも協議と裁判と二種類あるが、協議とはいってもただ別れますからという書類に判子をつく日本式とは大いに違う。上記の「別れた親と子供が如何に暮らしていくのか」と言う条件が書いてなければ裁判所には通らない。もし別れた親が養育費を踏み倒すことがあればそれはその人の雇用者のところから直接引かれるようにとの申請ができるのである。 一緒に暮らしていた二人が別れようというのだからそれなりに感情のもつれと言うのはあって当たり前だが、だからと言って経済的に上位に立つものがこれを機会に「制裁」にでることを抑えてくれるのがこのイタリアの法律だ。その精神はあくまでも結婚生活で生まれてきた子供たちを幸せを考えるところかた出発しているからであろう。別れてから三年も経たないと離婚する資格ができないのも「その間に考え直してほしい」という意図があるからである。子供の無い夫婦に限ってその期間を一年に短縮できないかという補正案が提出されたのであるが僅差で通らなかった。(確か2003年の10月ごろの話です。) 別居条件の話し合いの時に元亭の頭は「共同親権を取らないといやがらせに子供に会わせてもらえないのでは??」との思いがよぎったらしくかなり共同親権に固執していたが、結局子供たちに近いところで暮らしているため私が親権を取ることになった。そこでそのときの条件には「夏休みやクリスマスの時には事前に連絡を取って会わせる事」なる一文が入ったのだが、それは杓子定規に運用することは双方ともしなかった。 離婚の発端とか責任とか言い出すと、それが究極のところ夫婦のどちらかにあるかは大いに議論があることだろうが、離婚にあたって一番罪がないのは子供たちだということに反対する人はいないだろう。だったらその子供たちにとってそして子供と共にいる親にとって何が一番いい選択なのかを離婚に関してイタリアの法律は十分に考えてあるのは本当に幸いだった。 元亭は機会ある毎に子供たちに会いに来るし、家にも息子たちの父親として泊まっていく。そういう話を何かのついでにすると一様に驚くのは日本人である。協議離婚で養育費が決まったとしても踏み倒す父親は残念ながらかなりいて、そういった父親に母親は子供を会わせないからだという。年収が一千万あっても踏み倒す人は踏み倒すし、それに対するきちんとした法的制裁が無いのだ。 養育費を踏み倒すことは父親にとって本当に「お得」なことなのだろうか。それと引き換えに失うものがどれだけ大きいかは当面は考えないで済むかも知れないし何よりも「お上」は罰則なしとおっしゃっているけれど。そしてそういうことを国が許しているということはとりもなおさず離婚した家庭を一挙に最貧層へ落とし込む可能性があることをわかっていながら、何の手も打っていないということにはならないだろうか。 今年も息子はクリスマスを父親と共にその実家で過ごすことになる。去年は元亭を入れて一家四人をイギリス人と日本人のご夫婦が招待してくださったのでロンドン一緒に祝った。「ええ人そうやん、なんで別れたの??」と奥様から聞かれたがまあいろいろありましたので。元亭は元亭主であって今は戦友みたいなもんである。もう一緒に戦うなどと言うことはないだろうけど。
by yy-mari
| 2008-11-13 18:08
| その他
|
ファン申請 |
||