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友人を通じて頼まれた、ピンチヒッターとしての一日の通訳。サマーセットにある寄宿学校に入学するお子さんとそのお母さんのつきそいである。 そこまでの往復の鉄道の旅を予約しようとNational Railwayの予約ページに行って絶句した。料金の設定が全く変ってしまっていたのだ:昔(といっても一年半ほど前)は一番安い方法は同じ日に往復することだった。行きだけを買っても往復料金とほとんど変らない、という落とし穴が用意してあった。他の国(私の知りうる国)では大抵、往復は往きの二倍と同じかこころもち安いのが相場である。 なのにロンドンから200km離れた地までの往復で同日の往復を買おうとするとどんなに安くても100ポンドは下さないのである。久しく(とはいっても一年弱にもならないが)鉄道の旅をしなかった間に何が起きたのだろうか?? イギリス官公庁系のウェッブサイトはあまりあてにならないと思っているので出発の前日、出発駅であるPaddingtonの売り場に行って買うことにした。窓口の女性職員との会話: 「往きが朝の8時16分、返りが午後4時10分で大人二人と子供一人お願いします。」 「子供が一人だったらFamily Cardを買えばとてもお得になるんですけどどうでしょう?」 「その子はそこに残ることになるので帰りは一緒じゃないんです。」 「だったらFamily Cardは使えないわね。。。朝の10時半以降に出発するんだったらOff-Peak扱いになるから往復50ポンドになるんですが。」 「入寮の手続きとかあってその時間に出発しないと間に合わないんです。。。」 「そうすると。。。250ポンドになります。。。あなた、今夜出発はできないの??今夜だとOff-Peak扱いになるからあちらでB&Bに泊まったところで絶対これより安くなるわよ! (横の職員に向かって)ねぇ、レンタカーって一日借りてもこんなにはならないわよね??」 「。。。。」 「因みに当日買ったらいくらになるんでしょう?」 「ええと、当日だと300ポンドになります。」 「!!。。。。」 「ひところだったらこれでNew York三人で行けたわよね。。。」 珍しくとても顧客思いの職員さんであった。自分の会社の職員にここまで愛想をつかされてしまうNational Railway。 (NationalとはいうもののNational Railwayは英国国鉄ではなく1994年に民営化さればらばらになった各鉄道会社のよせあつめである。) どうやら無事に役目を終えた後、鉄道料金を勉強しようと再度、National Railwayのサイトへいくと説明があったのだった: 「皆様からのご意見を基に料金設定をわかりやすくいたしました: Advance 事前予約=往きと返りの便を別々に指定する。 Off-Peak 割引時間帯=詳しくは書いてない(←ここがミソ)が要するに出発時間帯が朝10時半から午後3時半まで Anytime=時間制限無し」 要するに格安航空券と仕組みが同じ。当日に買ったらぼったくられるし、皆が仕事で列車に乗るときには料金を高く設定してある。 これでは短期的には儲かるかもしれないが長期的には鉄道離れが進むのは必至。どう考えても車で行ったほうが安いし時間の都合もつくのである。となると排気ガスを規制するだのいったところで車が道路にあふれることになるだろう。このシステムには「公益」というものが全く考えられていないのに恐れ入る。 このシステムが導入されたのが今年の初めだというのもThe Timesの記事でやっとわかった。 読者の意見はまとめてみるとこんな感じである: ぼったくり(Rip-Off) 乗る人のふところにやさしくない 車/飛行機/バスのほうが安い。しかも速い。(バスを除く) 国の恥 ドイツ/フランス/日本の鉄道を見習ったらどうだ 民営化して何がよくなったんだ/再国営化したら? この記事の上から下まで(読者のコメント欄まで)読みながらうなづいてばかりである。 この間乗った電車はがらがらで冬だったのだが暖房が切れていたか温度が極端に低く設定してあったので寒さに震えながらとにかく早く着くことを祈っていた。夕食時にかかっていたのでサンドイッチでも買おうと思ったがその中身のあまりのへたれぶりに買うのを見合わせた。終点に到着した時にはそれが全部ゴミ袋に直行していた。 いやぁ、「生き馬の目を抜く倫敦」とはいうけれどもぼやぼやしていると愕然とするような変化の速さ。香港に住んでいたときにこの地で老人として生きていくにはつらかろうと考えたものだが英国もかなりしんどそうである。
by yy-mari
| 2009-05-10 08:41
| イギリス
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