カテゴリ
以前の記事
2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
友人が貸してくれた本を早速読む: 「ルポ 貧困大国アメリカ」
アメリカの貧困の実情を食生活、民営化と自由化による経済難民の例としてハリケーン・カトリーナの例、医療、貧しい家庭の学生をターゲットとする軍のリクルート、最後に民営化された戦争を支える貧乏な人たちが各章の内容である。 それぞれの内容は相互にかかわりがあり、貧困の原因でもあり結果にもなっている。例えば貧乏であると器具も調味料も要らなくて安くて腹がいっぱいになるというジャンク・フードに走ることになり(*確かに安いのである)、その結果、肥満となりそれが又病気の原因となり無保険で病院に行くとなるととんでもない費用がかかりその結果益々貧乏になる。 アメリカ医療の貢献とその問題点に付いては李啓充氏の「アメリカ医療の光と影」というサイトが驚くほどの情熱とプロの知性を持って紹介してくれているのでこの本で書かれていることはその裏づけとなった。 全編を通じて伝わるアメリカ貧困の大本の思想は「民営化」であろうか。「利益を出す」ことが「成功」であるという単純な考え。しかも利益を出すのを短期間で求められているから長期的には全く割りに合わない、ということはあまり考慮されない。それがシステムとして出来上がってしまって貧乏であったらそこから抜け出すチャンスは限りなく少なそうである。 ここまで考えながら思い出した。社会心理学の基本概念の一つ「公正世界に対する信奉(Belief in a Just World)である:この世界は公正かつ予測可能で「良い人」には良いことが、「悪い人」には悪いことが起きるようになっている、という世界観である。この理論でいくと貧乏な人は当然そうなるべき理由があって貧乏ということになる。これがこのアメリカの貧困/弱者固定化を許している側に見え隠れしている。(アメリカだけに限ったことではないが) しかも貧困層の大半を占めるのが黒人やヒスパニック系、ネイティブ・アメリカンであるので、そうでないグループにしてみれば、他グループの貧困はまさに「ひとごと」になる。 貧乏人の困窮が「対岸の火事」であるとしたら、それが風にあおられて自分の家まで焼けることはありえる、とは人は考えられないのだろうか。
by yy-mari
| 2008-12-01 06:45
| 読書録
|
ファン申請 |
||