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Transition Townいう運動があるのを知ったのは昨年の11月末。この運動の支部が私の住んでいる地域にも設立し、そこが私の家からすぐ傍の教会で一日セミナーを開催してくれたのである。そのチラシをFarmers' Marketでもらったのがきっかけだった。
その運動の一環としてのプロジェクトが「自宅菜園を始めたいのだがどうしていいかわからない地元の人を主体に地元の公営家庭菜園地をトレーニングとして使う」というもの。 今日が二回目のミーティングで、件の教会のすぐ傍の、表通りから引っ込んだところにあるパブで行われた。ここに引っ越してから頻繁に前を通っていたのに入ったことの無かったパブ。中に入るとすぐにここがこの付近の人たちの会合の場になっているのがわかった。 ミーティングの主要な議題はそのプロジェクトの資金問題。ちょうどお役所がそういう家庭菜園に関するするプロジェクトを資金援助をしていて、そこに認められる為にどういう風に申請書を書くか、ということだ。 今回は公営家庭菜園を管理するお役所の人、Sさんが加わってくれた。彼自身も家庭菜園を持っていて、かつ他の人の家庭菜園をお役所の立場から管理している。自ずと彼の発言は「家庭菜園裏話」のように一般の人が知らないことだらけである。 そこで司会を務めているCさんが「こんなことやっている人たちって中流階級ばかりだって批判があるから参加者が幅広いということをアピールしたらどうかしら?」と問いかける。 確かにこの会議に参加している人は市民運動の意識の高そうな中流階級の地元の方のようである。 するとSさん曰く「う〜ん、家庭菜園をやっているのは本当に様々な階層の人たちなんだ。問題は家庭菜園の割当をもらうのに数年かかるのに、始めて2年目で辞めてしまう人の率が75%に達するということなんだ。本当は小さな部分から始めて、それを大きくしていけばいいのに皆目一杯大きな場所を申請する。そしてその大きな場所を耕すのにどれくらいの時間がかかるか見当がついていないんだよ。三ヶ月の間毎週末を家庭菜園に費やすなんてできる人はあまりいないからね。」 「中流階級が家庭菜園をやっている人の主流というのは当たっていないな。ただしね、中流階級は文句が言える。それは家庭菜園関係だけじゃなくてお役所仕事の全般についてそうだね。だから目立つんだ。労働者階級はぼそぼそっと自分でつぶやくか仲間内で溜飲を上げるだけで終わってしまうんだよ。」 私はこの場所でも少数派の外人で、かつ家庭菜園に関しては何も知らない初心者なので教わることのみ多く、ただひたすら拝聴していた。 会議が終わって私はSさんにあなたにとっての中流階級の定義は何かと尋ねてみた。 「60歳以上の人は皆がそれぞれどの階級に属しているか、そして相手がどの階級なのかお互いわかるんだろうね。ただしそれより若い人の場合は難しいんだ。僕にとってはその人の出身というよりもものの考え方が階級を決めると思うけどね。」 「それは向上心の有無ですか?」 「いや、そうだとは思わないね。中流階級は個々人が政治的に無力であっても抗議ができるんだ。たとえば僕の仕事だと使われていない家庭菜園はそれを理由に使用者に使用を辞めていただきますという通知を出すんだけどね。相手が労働者階級だとモゴモゴ言ってそれでおしまいだ。これが中流階級になる『こちらはちゃんと使用料を払っているんだ!』から延々と交渉が始まるね。」 そうなると私の知っている労働者階級を誇りにしている英国人の友人等はそのものの考え方は確かに中流階級だと思った次第である。そう、その友人に共通しているのは高等教育を受けたということだ。 何十年かぶりの厳冬ですっかり路面が雪で凍ってしまった道を帰りながら教育を通じて資源を形成することができなかった人たちのことを考える。
by yy-mari
| 2010-01-06 19:30
| イギリス
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